VPNは、バーチャルプライベートネットワークの略です。
バーチャルは仮想、プライベートは私的、つまり「仮想私的ネットワーク」という意味です。
まず、仮想という文字が付くわけですから、仮想じゃないプライベートネットワークが存在します。
いわゆる専用線と呼ばれるもので、インターネットを介さず、専用のプロトコルを用いて拠点間のコンピューター機器を共有します。
それに対し、VPNは専用回線を使わず、インターネット回線を流用して擬似的に私的回線を確立し、コンピューター機器を共有します。
それでは、なぜ「仮想」が存在するのでしょう?
専用回線の導入は非常に高価であり、大企業や一部の中小企業にその利用は限定されています。
インターネット回線は、誰でも手軽に利用できる、共有回線のようなものですから、安価で利用が可能なのです。
では、なぜそのままインターネット回線と言わず、わざわざ仮想プライベートネットワークと呼ぶのでしょうか?
前述どおり、インターネットは共有(パブリック)な回線であることから、そのままデータを送受信することで、内容が第三者に盗み見られる危険性があるのです。
そのため、擬似的に私的ネットワークとして構築することで、拠点間の通信を暗号化させる必要があるのです。
暗号化されたデータは、拠点でのみ解読されるため、盗み見られるリスクがなくなります。これがVPNです。